労働契約法改正により、平成25年4月から「無期転換ルール」が
導入されています。
このルールは、同一の使用者との有期労働契約が「5年」を超え
て繰り返し更新された場合に、労働者の申込みにより、無期労
働契約に転換するというものです。また、本年4月1日から専門
的知識を有する有期雇用労働者等について特例措置も施行され
ました。
◎無期転換ルールの仕組み(労働契約法第18条)
有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、労働者の雇用の安定を
図るため、平成24年8月の労働契約法改正により、いわゆる
「無期転換ルール」が定められました。
同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて
繰り返し更新された場合に、労働者の申込みにより、無期労
働契約に転換します(労働契約法第18条第1項)。
(注)通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に
開始する(更新する場合を含みます)有期労働契約が対象です。
平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は、
通算契約期間に含まれません。
◎有期雇用特別措置法の基本的な仕組み
【高度専門職の年収要件】
事業主との間で締結された有期労働契約の契約期間に、
その事業主から支払われると見込まれる賃金の額を、
1年間当たりの賃金の額に換算した額が、1,075万円以上で
あることが必要。
【高度専門職の範囲】
次のいずれかにあてはまる人が該当します。
(ア)博士の学位を有する者
(イ)公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、
税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士または弁理士
(ウ)ITストラテジスト、システムアナリスト、アクチュアリーの
資格試験に合格している者
(エ)特許発明の発明者、登録意匠の創作者、登録品種の育成者
(オ)大学卒で5年、短大・高専卒で6年、高卒で7年以上の実務経験を
有する農林水産業・鉱工業・機械・電気・建築・土木の技術者、
システムエンジニアまたはデザイナー
(カ)システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有する
システムコンサルタント
(キ)国等によって知識等が優れたものであると認定され、上記アから
カまでに掲げる者に準ずるものとして厚生労働省労働基準局長が認める者
【継続雇用の高齢者の特例】
通常は、同一の使用者との有期労働契約が通算5年を超えて反復更新
された場合に無期転換申込権が発生しますが、
・適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を
受けた事業主の下で、
・定年に達した後、引き続いて雇用される
有期雇用労働者(継続雇用の高齢者)については、
その事業主に定年後引き続いて雇用される期間は、
無期転換申込権が発生しません。
ちなみに、平成27年4月1日~同年8月31日まで無期転換ルールの
特例に関する認定件数は、1,236件
(都道府県労働局長による認定件数)のようです。