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職場における熱中症対策

厚生労働省は、今月1日、平成28年の「職場における熱中症に 
よる死傷災害の発生状況」(確報)を公表しました。 

これによりますと、昨年(平成28年)の職場での熱中症に
よる死傷者(死亡・休業4日以上)は462人と、平成27年よりも
2人少なく、うち死亡者は12人と、前年より17人減少しました。
しかし、近年、熱中症による死傷者は毎年400~500人台で
高止まりの状態にあります。
業種別に熱中症による死亡者をみると、建設業が最も多く、
全体の約6割が建設業で発生しているとのことです。

〔参考〕「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11303000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Roudoueiseika/hasseijoukyou_1.pdfLink

この公表に合わせて、今年の予防対策についても案内がありました。
今年の夏は、全国的に 気温が平年並みか平年より高くなること
が見込まれ、熱中症による労働災害が多く発生することが懸念
されているようです。

同省では、平成29年より新たに職場における熱中症予防対策として、
5月1日から9月30日ま「STOP!熱中症 クールワーク
キャンペーン」を実施しています。
 キャンペーンでは、個々の労働者に水分・塩分の摂取を呼び掛け
るだけでなく、事業場として、予防管理者の選任など管理体制の
確立を含めた対策の徹底を図るため、労働災害防止団体などとの
連携や関係業界団体などへの関連情報の周知、関連情報の提供
(特設サイトの開設)、協賛団体による支援などの取組が重点的
に推進されています。
 
備えあれば憂いなし、今年のキャンペーンのリーフレットを確認ください。
< リーフレット「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」 >
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11303000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Roudoueiseika/leaflet.pdfLink



同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善について

政府の働き方改革実現会議は、内閣総理大臣が議長となり労働界と産業界の 
トップと有識者が集り、これまでよりレベルを上げて議論する場として設置され、 
同一労働同一賃金の実現に向けて有識者の検討報告等を経てガイドライン案を 
提示し、これを基に法改正の在り方について議論を行ない、先月4月28日に 
「働き方改革実行計画」が決定されました。


■同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善の概要

1.基本給の均等・均衡待遇の確保
基本給が、職務に応じて支払うもの、職業能力に応じて支払うもの、
勤続に応じて支払うものなど、その趣旨・性格が様々である現実を認めた上で、
それぞれの趣旨・性格に照らして、実態に違いがなければ同一の、違いがあれば
違いに応じた支給を求める。すなわち、均衡だけでなく、均等にも踏み込んだもの
としている。
昇給についても、勤続による職業能力の向上に応じて行おうとする場合には、
同様の職業能力の向上には同一の、違いがあれば違いに応じた昇給を求める。

2.各種手当の均等・均衡待遇の確保
ボーナス(賞与)について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする
場合、同一の貢献には同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める。
役職手当についても、役職の内容、責任の範囲・程度に対して支給しよう
とする場合、同一の役職・責任には同一の、違いがあれば違いに応じた支給を求める。
そのほか、業務の危険度等に応じて支給される特殊作業手当、交代制勤務等に
応じて支給される特殊勤務手当、所定労働時間を超えて同一の時間外労働を
行った場合に支給される時間外労働手当の割増率、深夜・休日労働を行った
場合に支給される深夜・休日労働手当の割増率、通勤手当・出張旅費、勤務時間
内に食事時間が挟まれている際の食事手当、同一の支給要件を満たす場合の
単身赴任手当、特定の地域で働くことに対する補償として支給する地域手
当等については、同一の支給を求める。

なお、基本給や各種手当といった賃金に差がある場合において、その要因として
賃金の決定基準・ルールの違いがあるときは、「無期雇用フルタイム労働者と
有期雇用労働者又はパートタイム労働者は将来の役割期待が異なるため、賃金
の決定基準・ルールが異なる」という主観的・抽象的説明に終始しがちであるが
これでは足りず、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の客観的
・具体的な実態に照らして、不合理なものであってはならない。

3.福利厚生や教育訓練の均等・均衡待遇の確保
食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設の利用、転勤の有無等の要件が
同一の場合の転勤者用社宅、慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除・有給保障
については、同一の利用・付与を求める。

病気休職については、無期雇用パートタイム労働者には無期雇用フルタイム
労働者と同一の、有期雇用労働者にも労働契約の残存期間については同一の付与を求める。

法定外年休・休暇については、勤続期間に応じて認めている場合には、
同一の勤続期間であれば同一の付与を求め、特に有期労働契約を更新
している場合には、当初の契約期間から通算した期間を勤続期間として
算定することを要することとする。

教育訓練については、現在の職務に必要な技能・知識を習得するために
実施しようとする場合、同一の職務内容であれば同一の、違いがあれば
違いに応じた実施を行わなければならない。

4.派遣労働者の取扱
派遣元事業者は派遣労働者に対し、派遣先の労働者と職務内容、職務内容・
配置の変更範囲、その他の事情が同一であれば同一の、違いがあれば違いに
応じた賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施が求められる。


◎法改正の方向性
職務内容、職務の成果・能力・経験等に対する正規雇用労働者とパートタイム
労働者・有期雇用労働者・派遣労働者を通じた公正な評価・待遇決定の推進や、
そうした公正な待遇の決定が、労働者の能力の有効な発揮等を通じ、経済及び
社会の発展に寄与するものである等の大きな理念を明らかにした上で、ガイド
ライン案の実効性を担保するため、裁判(司法判断)で救済を受けることができ
るよう、その根拠を整備する法改正を行う。

◎法改正の施行に当たって・法施行までの準備期間の確保
中小企業を含め、本制度改正は企業活動に与える影響が大きいものとなるため、
施行に当たっては、周知を徹底するとともに、十分な法施行までの準備期間を確保する。

・説明会の開催や相談窓口の整備などの支援
同一労働同一賃金の法改正の施行に当たっては、説明会の開催や情報提供・
相談窓口の整備等を図り、中小企業等の実情も踏まえ労使双方に丁寧に
対応することを求める。
また、不本意非正規労働者の正社員化や賃金引上げを支援するとともに、
賃金だけでなく諸手当を含めた待遇制度の正規・非正規共通化などに取り
組む企業への支援の仕組みを創設する。



人手不足が深刻化(日銀短観(2017年3月)公表)

日本銀行が、第172回全国企業短期経済観測調査(2017年3月)
の結果を公表しました。

 この調査(「短観」)は、全国の企業動向を的確に把握し、
金融政策の適切な運営に資することを目的として、日銀が、
四半期ごとに行う統計調査です。
所定の調査表による郵送およびオンライン調査で、今回の
調査対象企業は、全国の10,799社
(大企業2,118社、中堅企業3,011社、中小企業5,670社)。
回答率は、全体で99.4%でした。

 今回の調査では、大企業・製造業の業況判断指数が
2四半期連続で改善するなど、景気の回復基調が続いている
ことを示しました。
 しかし、人手不足の深刻化しているようで、
そこに着目した報道がいくつか見られました。
雇用判断指数で労働力の「不足」を訴える企業が
「過剰」とする企業を大きく上回り、25年ぶりの水準
ということです。企業における人手不足感はバブル末期なみ
の印象ということですね。これにより、先行き景況感が
悪化しているとのことです。

 麻生財務大臣は、今月4日の閣議後の会見で、
人手不足を背景とした先行き景況感の悪化が示されたことに関し、
「労働不足には外国人労働やロボット、人工知能(AI)や
規制緩和などを総動員してやっていかなければならない」といった
ことを述べたということです。

 大手企業では、魅力ある人事制度や、多様な働き方の仕組み
などを導入して、優秀な人材を確保しようという動きも見られます。
企業によってできることは異なるでしょうが、各企業において、
マンパワーの確保を考えなければならない時代といえそうです。

日銀、短観(2017年3月)については、こちらをご覧ください
(要旨のみ紹介。最後の方に雇用判断指数〔DI〕があります)。
http://www.boj.or.jp/statistics/tk/yoshi/tk1703.htm/Link



「平成29年度の雇用保険料率」について

今月3月31日、労働政策審議会雇用保険部会が開催され、
平成29年度の雇用保険料率の引き下げが了承されました。

予定どおり、本年4月1日から引き下げられた
雇用保険料率が適用される模様です。平成29年度の
雇用保険料率は、一般の事業では1,000分の2引き下げられ、
1,000分の9(労働者負担分1,000分の3/事業主負担分1,000分の6)
となります。
 農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業の率も、
1,000分の2引き下げられます。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<平成29年度の雇用保険料率>
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11607000-Shokugyouanteikyoku-Koyouhokenka/0000159614.pdfLink



「仕事と生活の調和のための時間外労働規制検討会」の論点整理を公表について

厚生労働省は「仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会」
について、論点整理をとりまとめ公表しています。本検討会では、36協定 
における時間外労働規制の在り方をはじめ、長時間労働の是正に向けた 
政府の検討に資するよう、わが国における時間外労働の実態や課題の把握 
を中心に検討を進めてきたものです。

■仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会 
(論点の整理)概要
1.総論
・人口減少の中でわが国の成長を確保していくためには、誰もが働きや
すい環境を整備することが必要であり、そのためには、必要のない時間外
労働をなくし、効率的でムダのない働き方に変えていくことが必要である。
・長時間労働を前提とする企業文化を変え、企業の業務プロセスの見直しや
意識改革を進めることが必要である。
・現行法の遵守の徹底を求めるとともに、同業他社等との競争が厳しい中、
各企業の自主的な取組に任せるだけでは限界があることから、36協定にお
ける時間外労働規制の在り方について法改正を検討する必要がある。

2.マネジメント、業務プロセス、人事評価等の改革
・全社的に長時間労働の是正を図るためには、経営者自らが率先して
改革を推し進める必要がある。
・時間外労働が生じる要因としては、業務量の過多や業務の繁閑が多く
挙げられるが、マネジメント能力の低さ、誰も読まない議事録の作成や
過度に凝った資料の作成などに代表される過剰品質を求めるマネジメント、
職場の意識改革不足も指摘されている。
・より短時間で効率的に働いた人が評価されるよう、時間当たり労働
生産性を人事評価の指標として盛り込むなど、企業の人事制度改革を
促すべきである。その際には、効率的に働くことで時間外労働を削減
した場合、削減によって浮いた原資を労働者にどのように還元するか等、
各企業において工夫が求められる。

3.企業のコンプライアンスと法の執行
・36協定を締結していない理由として、制度自体の不知、協定締結の
失念等が挙げられるなど、労働時間規制が浸透していない実態があり、
改善を図る必要がある。労働者の健康確保を図るためにも、まず企業
自らが法令遵守にしっかり取り組まなければならない。

4.規制の在り方について~(1)時間外労働の限度
・36協定の締結状況を見ると、通常の延長時間はほぼ100%の企業で
限度基準告示(月45時間、年360時間等)の範囲内に収まっている一方で、
一部、特別条項がある場合の延長時間が月100時間を超えるものも
見受けられ、長時間労働の歯止めとして十分機能していない。
・36協定の時間外労働規制のあり方を検討するに当たっては、
労使協定で定める範囲内で、割増賃金を払えば上限なく時間外労働が
可能となる現在の仕組みを改め、一定期間内の総労働時間の枠を定め、
その枠の中で健康を確保しつつ効率的に働くことを可能とする制度へ
の転換を指向すべきである。
・1日単位の休息期間を確保するインターバル規制は、睡眠時間の確保
や疲労蓄積を防ぐ観点から重要な考え方であり、企業自らがこれを導入
することを促していくべきである。

5.規制の在り方について~(2)労使の役割
・36協定は、国が定める限度基準の下、それぞれの現場に合った
労働時間数の設定を労使の調整に委ねる仕組みとなっているが、
この労使の調整手続が十分に機能していない実態があり、
改善する必要がある。
・労働時間の上限設定は、これまでの働き方を大きく変えるものに
なるので、各企業、各職場で長時間労働の是正、働きやすい職場環境
づくり等に向けて労使が率直に意見交換し、具体的な改善策に取り
組むことが重要。

6.規制の在り方について~(3)情報の公開
・法違反に対する公表制度は強化するとともに、長時間労働の是正や
ワークライフバランスの改善及びその継続に積極的に取り組む企業が、
労働市場、商品市場、株式証券市場等において積極的に評価される
環境を作ることが求められる。

7.下請け等の取引慣行への対応、意識改革、その他  
・中小企業における長時間労働については、重層下請構造の下での、
急な仕様の変更や短納期発注等が背景にあることから、発注元や
親事業者を含めた業界全体としての取引環境の改善が必要であり、
政府はそのような業界全体の問題を協議する場の設定に努め、
業界としてのコンセンサス形成を図るべきである。
・過当競争が低価格での過剰サービスを生み、長時間労働を
引き起こしている。提供したサービスの価値に見合った対価が
支払われるよう、商慣行の在り方について、改善の手法を検討
することも必要である。
・過当競争の中で、顧客の要望に対し、際限なくサービスを提供
してきた結果、“翌日配送”や“24時間対応”が消費者にとって当たり前のもの
になってしまい、長時間労働を招いている実態もある。過度のサービス要求を
控えることが、長時間労働の是正につながり、働く人の健康と幸せにつながる
ことを喚起し、国民全体の意識改革を促すことも重要である。